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不完全燃焼 アニメ「神様ドォルズ」オープニングテーマ BASIC ADVANCED EXTREME LEVEL 3 6 9 Notes BPM Time Artist 石川智晶 Version plus 動画 +譜面動画 譜面動画 譜面動画 EXTREME (フラワー) +プレー動画 プレー動画 攻略・解説 各譜面の攻略に関する情報はこちらへ。 [EXT]歌詞のペットボトルでペットボトルの図形押し有り。3+15の縦同時が入るので注意。 -- 名無しさん (2012-02-09 19 40 12) [EXT]歌い方が特殊でリズム難だが譜面はほぼボーカル通り。3+12→5+14→8+15→2+9の16分が乱発する他やや同時押しに難あり。 -- 名無しさん (2012-02-10 04 04 05) 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BSC] [ADV] [EXT] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 ※体感難易度を書き記す際は、クリア難度・スコア難度のどちらかなのかを明記してください。 また、攻略と関係ない投稿・重複した内容は削除の対象になります 攻略とは無関係の話は該当する欄(情報交換&雑談) にてどうぞ。 コメント(感想など) 名前 コメント ↑攻略と無関係の曲に対するコメントはこちらでお願いします。あまりにもかけ離れた内容は削除される場合があります。
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200 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 06 51 05 ID ??? 流れを叩ききって報告。昔、ドラゴンアームズというロボット物ゲームで、 ロボットに乗らずにシナリオが終わったことがあった。マスター曰く、 「このゲームのロボット船のルールは難しいし、バランスがおかしい」から だそうで。 あー、ガンダムで例えると、ホワイトベース内で起きたどろどろ愛憎劇。 でも、モビルスーツのモの字も出ないで話は終わったというもの。 ちなみに不完全燃焼爆発で、ちっとも面白くありませんでした。 そのマスターが別な日にダブルクロスを行ないました。全員の侵蝕率が 100%突破する前にシナリオが終わる。いや、ラスボスのジャームが、 PCの説得に応じてしまったので(笑)やっぱり不完全燃焼率大爆発でした。 205 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 07 59 42 ID ??? 200 ラスボスが説得に応じると高確率でジャーム化するよ。 コンベのブレカナで「全く自覚もない悲劇の少女殺戮者」が出てPCの一人が惚れて闇に落ちたら心中するって駆け落ち→解放ないから全員闇に落ちるエンドになったことある 207 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/05(土) 08 32 37 ID ??? 205 それやろうとしてPLに 「それはシステムで禁止されてるから駄目」 って言ったGMがいたな。 よく分からん理屈だが、PCが殺戮者になるような行為はしちゃ駄目ってルールブックに書いてるらしい。尊厳が1点でも残ってるうちは絶対駄目なんだと。 ルール持ってないので本当かどうかは知らんが、取りあえずそいつのマスタリングは常時そんな感じで面白くなかった。 スレ167
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不完全燃焼、恋愛模様 「何ばしよっと?」 翌日の昼休み、偶然見かけた汐屋は必死に飛んでいた。 そんなぴょんぴょん飛び跳ねる汐屋に近づき、千歳が苦笑しながら尋ねる。 「あ、千歳君」 千歳を振り返った汐屋は棒切れを持っていた。 「なんかえらい必死ばってん、どげんしたと?」 「それがね、あれ……」 「?」 汐屋が棒で指す場所には、木の枝にひっかかった手紙があった。 「もしかして、あれば取ろうとしよったと?」 「うん。廊下歩きよったら急に風が吹いてきて、ここに飛んで引っかかったと」 「なるほどね」 「あ、千歳君背ぇ高かけん届くかもしれんね。お願いしてもよか?」 「よかよ」 軽くジャンプをすると楽々手紙を掴む。 「すごっ」 汐屋は目を丸くさせている。 「まあ、汐屋よりは背の高かけんね」 「あはは、随分とね。ありがとう、本当に助かった~」 そう言って千歳から手紙を受け取ると、汐屋はほっとしたような顔をした。 そんなに大切な手紙だったのだろうか。 そう思い宛名の所に書かれた名前を見た瞬間、ゾワリと背中に悪寒が走った。 汐屋の手に握られた手紙の表には、「白石蔵ノ介様」と書かれていたのだ。 まさかーーー 「もしかして、ラブレターね?」 無意識に尋ねた千歳は、驚く汐屋の顔を見て自分も驚いた。 「あ、ごめん。名前の見えたけん」 「えっ? あっ」 慌てて手紙を自分の後ろに隠すと、汐屋は照れたように笑った。 「あ、あはは、今見たとは内緒やけんね」 「ーーー別に誰にも言わんよ」 ズキンと痛む胸。 「でも千歳君ってほんとに背ぇ高かよね~。羨ましか~」 千歳の傷心に気付くはずも無い汐屋は、必死に背伸びをしながら千歳の頭の位置を手で計る。 複雑な笑顔で千歳は答える。 「まあ、高か所の物ば取る時は便利やね。ばってんいつも待ち合わせ場所にされるけん疲れるたい」 「待ち合わせ場所にされるとは嫌やけど、私小さいけん少し身長分けて欲しか。それに千歳君顔もカッコいいけんモデルさんみたいやもんね」 褒められてもあまり嬉しくないのは、間違いなくさっきの手紙の所為だ。 「そう? 汐屋になら身長分けてやってもよかけど、女の子はあんまり大きかよりも汐屋くらいの身長でちょうどいいっちゃない?」 「それはスタイルいいから言えるセリフやもん。まあ、これ以上は期待しても伸びんけん諦めとるけどね」 「無いものねだりってことやね」 「そうそう。でも千歳君くらいの身長から見る景色ってどげんやろか? 私が見よる景色とは全然違うっちゃろうねえ」 「見てみるね?」 「え? どうやって?」 「……はい」 そう言って千歳は汐屋の目の前でしゃがんだ。 驚く汐屋。 「な、なんしよっと?」 「おんぶ。これやったら俺が見よるのと同じ高さから景色見えるやろ?」 「そ、そうやけどっ」 「別に立ち上がってから手ぇ放したりせんよ」 「そう言う問題じゃなか」 「何ね?」 「誰かに見られたら恥ずかしかやん」 「ああ……」 ふと白石の顔を思い出し、千歳はポリポリと頭を掻いた。 「そうやね、もしも白石に見られて誤解されたら困るしね……じゃあ、まあ、もしまた高い所の物取りたかったらいつでも呼ばんね」 「え? あ、うん?」 そう言い残して千歳はさっさと汐屋の前から立ち去った。 続く… 千歳ショック!w ここまでお読みくださり、ありがとうございます。 もうちょっと続きます。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.10
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不完全燃焼、恋愛模様 書店を出て待ち合わせ場所の商店街前の公園へ移動する。 なんだか妙に周囲が騒がしい気がしたが、千歳はそんなことより汐屋が本当に来てくれるかどうか心配だった。 約束を破るような子じゃないのは分かっていたが、こうやって待ち合わせをして出かけるのが初めてだったので、落ち着かないのだ。 そう思うと、今まで仲が良いと思っていたが、案外お互いのプライベートを知らない事に気付く。 家族構成や九州にいた頃どこに住んでいたかくらいは知っている。 しかし、どんな音楽やスポーツが好きだとか、そういった細かい事は何も知らない。 「なんか、相変わらずっちゅーか、高校に入って色気が増したっちゅーか……」 並んで立つ白石と千歳を見比べながら、忍足が呟いた。 昔から気持ち悪いくらいモテる白石は綺麗な顔立ちをしているし、千歳は190センチ以上の長身と優しい性格でこちらもモテる。 忍足も白石に負けず繊細な顔立ちをしているおかげでモテるのだが、そんないわゆるイケメンが3人並んで立っているのだ。周囲が騒ぐのも無理はない。 通り過ぎる女性達のほとんどがこちらを振り返る。 ちょっとした芸能人みたいだ。 数分過ぎた頃だった、遠巻きにこちらを観察する女性たちの向こう側から、一人の女の子が遠慮がちにやって来た。 「お待たせ……恐ろしく目立ってるからすぐに分かったよ」 そう言って千歳の前にやって来たのは汐屋だった。 忍足は少女を見てにやりと笑う。 千歳がこの少女の事を好きなのは先ほどの白石との会話で分かっていた。 特に美人という訳ではないが、優しそうで柔らかな雰囲気を持っている。 でもどこか一枚壁を作っている、そんな不思議な印象を受けた。 そこで忍足に気付いた汐屋がペコリと頭を下げる。 「こんにちは」 「あ、こんにちは」 吊られて忍足も頭を下げる。 それを見て白石が忍足を紹介した。 「汐屋、こいつ中学ん時のチームメートで、忍足謙也。謙也、この子は俺のクラスメートの汐屋雪緒さん」 「よろしく」 「よろしゅうな」 「千歳とはさっきそこで偶然会うたんや。なんや汐屋が来るって言うから、挨拶しとこ思って」 「そうなんだ。どこか行くの?」 「部活休みやし、謙也とテニスしに行こうか思ててん」 「休みの日もするの? すごい熱心なんだね」 「汐屋も一緒に来るか?」 「私は千歳君と買い物あるし」 「そうたい、二人とも早く行って来んね」 邪魔そうな顔をする千歳に、白石が微笑む。 「俺達も一緒に買い物付き合うわ。そんで飯食って皆でテニスしよ?」 「あ、賛成」 便乗してしたり顔で手を挙げる忍足を千歳が睨む。 が、反対する事も出来ないので汐屋に助け舟を求める。 「汐屋、お前テニスとか興味ないやろ?」 「ううん、テニス好きだよ」 「ほんまに?」 「やったことはないけど、見るのは好き」 「ほんなら決まりやな」 「よし、行こか、千歳。ハンドタオルやったな。汐屋、どっかいい店知っとるんか?」 千歳を置いてさっさと歩き出した白石と忍足に、千歳はまたため息を吐く。 汐屋も別に白石達と一緒に行動するのを嫌がっていないようだ。 ということは、千歳一人が汐屋と二人で出かけられることを喜んでいたということになる。 情けない。 もっと汐屋との距離を縮めたい。 しかしそのためにはどうするべきか。 千歳は前を歩く3人の後ろ姿を眺めながら必死で考えた。 続く… お読みくださりありがとうございました。 短かったですね。 まだしばらく続きます。この話しでのテーマは浮遊感(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.7
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不完全燃焼、恋愛模様 日にちが過ぎるのは早いもので、あっという間に約束の日曜日の朝となった。 頭の怪我も随分と良くなり、あの滑稽なネットも外れた。 まだ剃られたハゲはそのままだが、帽子を被れば問題ない。 2日ほど前に汐屋に待ち合わせの時間等をメールしてそわそわと落ち着きなく今日まで過ごした訳だが、夕べは緊張してあまり眠れなかった。 まさか好きな女の子と出かけるというだけで、こんなに緊張するとは夢にも思わなかった。 あまり働いてくれない脳みそを奮い立たせ、千歳は着替えて朝食を食べていた。 「お兄ちゃんどげんしたと?」 「何がね?」 妹のミユキが物珍しそうに千歳の顔を伺いながら聞いてきた。 「だって今日部活休みっちゃろ? それなのに早くから起きて、おまけに着替えて」 「今日はちょっと出かけるけん」 「……あ! もしかしてお兄ちゃんデート!?」 「違うたい」 「嘘やん! お母さん、お兄ちゃんデートげな!」 「え? 千里、あんた今日デートやったと? なんね早く言わんね! 彼女どんな子? 可愛い? 美人? いつから付き合いよると?」 「やけんデートやなかち言いよるやろ?」 目を輝かせる母と妹に、千歳は投げやりに答える。 実際本当にデートでもなければ彼女でもないのだから、質問には答えられない。 「なんね、冷たかねえ。今度彼女家に連れてこんね。お母さん自慢の辛子レンコンご馳走するけん」 「高校生で辛子レンコン好きなヤツはおらんばい……って彼女じゃなかて言いよるやろ?」 「じゃあ高菜チャーハン」 「しつこかね」 「お母さん、お兄ちゃん照れとるとよ。しばらくそっとしといてやろう?」 「反抗期? やあねえ。千里には反抗期なんてないて思いよったとに」 「ーーーご馳走さま」 「あ、逃げた」 何とでも言え。 これ以上会話をしていても疲れるだけと、千歳は食べ終えた食器を流しに片付けてリビングから逃げた。 逃げて部屋に戻ったものの、何となく落ち着かなかった。 音楽をかけてみたり本を読んでみたりするが、何をしていても集中出来ない。 いかん。全然落ち着かん。 長い足で床を踏みしめて立ち上がり、帽子をかぶる。 出かけるにはまだ少し時間があったが、千歳は早めに家を出る事にした。 玄関から外に出るととても天気が良く、最高の日和だった。 うんと背伸びをし、待ち合わせ場所の商店街へと向かう。 家の最寄りのバス停でバスに乗り、下車したバス停から繁華街を目ざして歩き出した。 休日の今日はカップルも多く、楽しげに会話を弾ませる姿がやけに目についた。 開けた商店街の入り口前の公園で足を止めて辺りを見回してみる。 もちろん汐屋の姿はまだない。 次に公園の真ん中に立てられた時計を見る。 10時10分 待ち合わせの10時半まであと20分。 千歳は近くの書店に入って立ち読みをしながら時間をつぶす事にした。 広くて明るい店内は客も多く、BGMも賑やかだ。 スポーツ雑誌のコーナーへふらりと行き、手前にあったテニス雑誌を手に取りパラパラと捲る。 お、越前やん。 アメリカを拠点として活躍をする、越前リョーマ。 雑誌でも大々的に特集が組まれるなどして、その人気ぶりを伺わせる。 中学時代の全国大会が思い出された。 「よお、千歳」 相変わらず生意気そうな顔写真に懐かしさを覚えていると、聞き慣れた声が千歳を呼んだ。 顔を上げると中学時代の同級生、忍足謙也が立っていた。 「謙也か。久しぶりやね」 忍足とは中学卒業後別々の高校に行っていて、なかなか顔を合わせる事がなかった。 お互い部活をやっているし同じテニス部なので試合で会う事はあったが、こうやって休日に外で会うのは本当に久しぶりだ。 「お前こんなところで何しとるんや? 帽子被ってそれで変装したつもりか? でかいから一発で分かったわ」 「待ち合わせまで時間があるけん、ちょっと暇つぶし……これは変装やなかよ」 「待ち合わせ? なんや変装やないならお洒落してデートかいな」 「はあ……なんでどいつもこいつも待ち合わせイコールデートになるとかね」 「なんや、違うんかい」 「残念ながら。で? 謙也は何しよっと?」 「俺は白石に呼び出されて……」 「白石?」 「おい、謙也に千歳」 丁度そこへ白石も現れた。 千歳は雑誌を棚に戻し、白石と忍足を交互に見比べる。 「よお、白石。お前達二人はどこ行くと?」 「謙也のとこも今日部活休みやって言うから、テニスしに行こうか思うてな。千歳は? デートか?」 「やけん、どうしてデートになるん?」 「違うんか?」 呆れる千歳に、白石が残念そうに言うと、忍足がすかさず千歳の帽子を指差しながら笑う。 「違うんやて。お洒落までしてお忍びでデートか思うたけど、でかすぎて全然忍べてへんねん。どっちかゆーたら逆に目立っとる」 「アホ、謙也。これはお洒落やなくてハゲ隠しとんねん」 「ハゲ? なんや千歳。お前その年でもうハゲとんかい」 白石と忍足の会話に千歳が呆れる。 「白石、誤解ば招くような言い方せんばい。怪我したけん縫うとに髪の毛剃られたとよ。それに俺は一言もお洒落とも変装とも言っとらん」 「っちゅーか、お前の頭頂部見下ろせるヤツなんかそうそうおらんで。別に帽子被って隠さんでもええやん」 「座ったりしゃがんだりしたら見えるやろ?」 「そんなん気にしなや。全体的にモコモコした髪しとんのやし、ちょっとくらいハゲとっても分からんで。それならもういっそのこと全部バリカンで刈ってもうたらええんちゃう?」 「俺もそれがええと思うわ。お前男前やし、きっと坊主も似合うで」 「人ごとと思ってから、適当なこと言いよる」 「しっかし千歳が怪我やなんて珍しいな。運動神経ええのに」 そこで白石は忍足に球技大会での出来事を語って聞かせた。 「……っちゅー訳で、こいつのパスのおかげで俺達のチームは逆転されてそのまま試合終了。負けてもうたんや」 「名誉の負傷やな。しかしどたまカチ割るほど飛ばんでもええのに」 「目測誤ったったい」 「まあええわ」 「で? デートやないなら誰と待ち合わせしとるん?」 会話を戻した白石に、千歳は普通に答える。 「汐屋」 「え? 汐屋? なんや、やっぱりデートやないか」 「やけん違うっち言いよるやろ。この頭の怪我した時やけど……」 話しに付いて行けない忍足は黙って白石と千歳の会話を聞いている。 白石と汐屋は現在同じクラスで、二年生の時千歳と話す事が多かった汐屋は、千歳とよく一緒にいた白石とも顔見知りだった。 千歳は説明するのが面倒だと思いながらも仕方なく話すことにした。 「そん時タオルを貸してくれた子がおったとばってん、その子のタオルが俺の血で駄目になったけん、新しいのば買って返そうて思いよるとよ」 「で?」 「やけん、どげなタオルを買ったらよかか分からんけん、汐屋に付いてきてもらうって話しになったったい」 「だから何でそこで汐屋なん?」 「あーもう、さっきから俺を置いて会話を進めんな。汐屋って誰やねん?」 たまりかねた忍足が漸くツッコミを入れる。 「もうすぐ来るやろ、それまで待っとき。で、何で汐屋なん?」 白石に軽くあしらわれ、忍足は少しむくれた。 千歳は、汐屋が来るまで白石達が待つ気満々なのを理解し、溜め息をついた。 というか、忍足と白石に会った時からこうなるだろうと大方の予想はついていた。 「はあ……説明するのが面倒くさい」 「別に面倒なら話さんでもええよ。汐屋に聞くし」 「……」 「なんやその目。俺達がおったら邪魔なん? デートやないんやったら一緒に行っても別にええやろ? なあ、謙也?」 「そうやな。デートなんやったら遠慮するけど、デートやないんなら問題ないやろ」 二人して楽しそうな顔で千歳を見ている。 「ーーー勝手にせんね」 千歳は忍足に見つかってしまった己の長身を恨んだ。 続く… お読みくださりありがとうございます。 四天宝寺って私立ですよねえ。高校まであるんですかね? 分からないので、高校は皆バラバラにしてみました。 ていうか、謙也カッコいいですね。いや、皆カッコいい。 恐ろしい・・・(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.6
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不完全燃焼、恋愛模様 千歳の荷物を持ってきてくれた汐屋とは名残惜しかったが駐車場で別れ、千歳は担任と近くの病院へ向かった。 傷は3針縫っただけで済み、抜糸の必要の無い糸で縫ってもらったため通院も数回で問題ないと言われた。 一番残念なのは、縫うために傷の周りの髪の毛を剃られ、ハゲができた事。 処置が終わって学校に戻ろうとした千歳だったが、担任に強制的に家に連れて帰られた。 時間的にも球技大会が終わる頃だったし、怪我人なのだから大人しくしていろという事らしい。 仕方ないので家に帰ると、迎えた母親が驚いた。 担任は怪我をした経緯を説明し、引き止めようとする千歳の母親を振り切って学校へ帰って行った。 夕方学校から帰ってきた妹に十円はげだの鈍臭いだのと笑われ、母親には心配半分呆れ半分で溜め息を吐かれた。 それ以上何か言われるのが面倒だった千歳は自室へこもり、長い手足を投げ出してベッドに転がった。 ドサリ とベッドのスプリングの反動を体に感じながら、頭を掻く。もちろん怪我をした所を避けて。 頭には病院ではめられたネット。 くせ毛もすっかり形を潜め、ふざけた様子でネットの隙間からはみ出している。 明日は球技大会の振替休日で学校は休みだが、数日間はこの微妙な姿をさらし、髪がはえ揃うまではハゲ頭もさらさなければならない。 気合いを入れて壁にジャンプしたことを少しだけ後悔しながら、ふと偶然保健室の前で汐屋と会った事を思い出す。 なんか知らんけど、俺、あいつのこと相当好いとるみたいやん…… 何で? ーーー分からない。 同じ九州から大阪に引っ越してきたから? 時折見せる寂しげな表情が気になるから? 優しいから? やはり考えても分からなかった。 「あ」 そこでもう一つ思い出す。 今日、駐車場で千歳の荷物を持ってきてくれた汐屋と別れ際、体育館で女子に借りた血染めのハンドタオルを汐屋が引き取ってくれた。 右手でハンドタオル、左手で怪我した頭を抑えていた千歳に、荷物を渡す時に汐屋が一旦預かったのだ。 そしてそのまま車が発進してしまい、結局タオルの存在を忘れていた。 電話してみるかね。 携帯を手に取る。 同じクラスだった時、互いのアドレスは交換していた。 それでも特別用事がなければメールも電話もお互いにすることは無かったが、3年になってから汐屋に電話を掛けるのは初めてだった。 妙な緊張を覚えながら、千歳は汐屋のアドレスを呼び出す。 一回、二回と呼吸を整え、通話ボタンを一気に押した。 トクン…… 「……あ、もしもし。俺、千歳ーーー」 数度目のコールで、汐屋の声が聞こえた。 『あ、千歳君。怪我、大丈夫やった? 心配やったけん電話かメールしようかて丁度思いよる所やった』 「そうなん? ありがと。心配かけたばいね。怪我は大した事ないとよ。縫った方が治りが早いけんち保健の先生が言うけん」 『そうやったと? それなら良かった……』 「…………」 千歳は汐屋の言葉に感動していた。 特別な意味がある訳ではないのに、汐屋の一言一言が千歳の胸に響く。 『どげんしたと? 傷が痛むとやなか?』 「ーーーあ、いや、全然」 黙ってしまった千歳を、汐屋はまた心配してくれる。 『縫うのってやっぱり痛かった?』 「縫う時は麻酔が効いとるけん、痛くなか。ばってん傷口に麻酔打つ時が痛かった」 『ーーーうわ。想像したら頭痛くなってきた』 「あはは、汐屋は想像力が豊やね」 他愛無い会話。 内容はロマンチックの欠片もない内容だが、その何でもない会話が楽しい。 そこで千歳は電話した用件を思い出す。 「あ、そうやった。汐屋、さっきのハンドタオルやけど」 『ああ、あれね。洗ったけど綺麗に落ちんかった。あれ、誰かが貸してくれたとやろ? 千歳君のにしてはえらい可愛いタオルやったけん、女の子のやろ?』 「そう。体育館で女の子が貸してくれたとよ。わざわざ洗ってくれたんね、ありがとう」 『そんなん別によかけど、血が落ちとらんとを返す訳にはいかんよね、さすがに……』 「そうやね。新しいのば買ってから返そうかち思いよる」 『うん、そうやね。それがよかろうね』 ドクン その瞬間、千歳はチャンスを感じた。 ゴクリとつばを呑み込むと、頭をよぎった思いを伝えようと意を決する。 「あんさ、汐屋」 『何?』 「その……タオルば買って返そうか思いよるけど、女の子が喜びそうなのってどげんかとか分からんけん……もし良かったら、選ぶの手伝ってもらえんやろか?」 言った。 言えた。 千歳は自分がいつの間にかしっかりと目をつぶっている事に気付いた。 力が入って心臓はバクバクだ。 『うん、私でよければ』 「ま、まじで?」 『え? うん……って、何でそこで驚くと?』 「あ、いや。ごめん……」 迷う事なく即答された事に驚いた千歳は、つい驚きを口にしてしまった。 しまったと思っていると、電話の向こうからクスクスと笑い声が聞こえてきた。 「何で笑いよると?」 『だって、千歳君面白いっちゃもん』 何か面白い事を言った記憶はないのだが、汐屋が楽しそうなのは嬉しい。 『ふふっ、ごめん。で、いつ買いに行くと?』 「ああ、えっと……汐屋はいつが暇?」 『別に部活しよらんし、千歳君に合わせるばってん』 「それなら明日は?」 『明日? 怪我が痛むっちゃなか? せめて今度の日曜日とかにせん?』 汐屋と出かけられると思えば頭の怪我くらいどうってことはないのだが、余計な心配をかけるのもよくないと思い、汐屋の提案を承諾した。 それにこの頭じゃ、良く考えたら一緒に歩くのは少し恥ずかしい。 「ーーーそうやね。じゃあ今度の日曜日でよか?」 『うん』 「時間とかはまた連絡するけん」 『分かった。電話ありがとう、お大事にね』 「いや、こっちもいろいろとありがとう」 『どういたしまして。それじゃあまたね』 「ああ、また」 電話の向こうでツーツーと虚しい機械音が鳴るのをしばらく聞きながら、千歳は再びベッドに転がった。 ヤバい。俺、今相当幸せかもしれんーーー 買い物に付き合ってくれるだけなのに、千歳の気分はすっかりデートモードだ。 「お兄ちゃ~ん! ご飯ばいー!」 「お~う」 階下から妹の声が聞こえてきてそれに返事をする。 その間もずっと千歳は上の空だった。 続く… ここまでお読みくださりありがとうございました。 なんか千歳が乙女でキモイですね(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.5
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不完全燃焼、恋愛模様 雑貨店に入ってもこの4名は目立っていた。 いや、3名の男達は目立っていた。 店内のあちこちから視線が突き刺さる。 汐屋はそんな異様な状況に、少し疲れを感じはじめていた。 まだ買い物をスタートさせてから一時間も経っていないというのに、こんなに人から注目を浴びるのが疲れるとは、初めて知った。 そして普通の人間で良かったと改めて思う。 イケメンテニス部3人は慣れたもので、見られている事にまるで気付いていないかのように、普通にその辺の雑貨を手に取ってはあーだこーだと品評している。 「汐屋、こんなんどうやろ?」 そう言って白石が見せたのは、ピンク地に白の水玉で無駄にでかい微妙なクマのアップリケが縫い付けてある、なんとも形容し難い趣味のタオルだった。 「……もう少し違うのがいいかな?」 「そう? 女の子ってこんなん好きちゃうん?」 「そ、そうかな?」 「なんや、汐屋はあんまり可愛らしいのは好きやないん?」 「物によるかな」 白石の微妙なセンスを知って、汐屋は白石ファンの友人達の顔を思い出した。 顔が良いのだから何でもセンスがいいに違いないと豪語していた友人の姿がかすんで見える。 「こんなんはどうやろか?」 「あ、すごく可愛い」 千歳が手にしたのはふわふわの生地に黄色やオレンジの小さな星がいくつも刺繍された、可愛らしいタオルだった。 「なんかえらいふわふわして、やたら気持ちいいっちゃけど」 「本当~。千歳君センス良いっちゃね!」 「そう? よー分からんけど、汐屋が良いって言うタオルなら大丈夫やろ」 つられて方言が出た汐屋を可愛いなどと思いながらニッコリ笑う。 「あ、結構安い! 私も種類違うヤツ買おうかな~?」 「ほんなこつ。こげん安かなら、一枚だけ買うとももったいなかね」 「妹さんにあげたら?」 「ミユキに? そうやね、なら母ちゃんにも買うてやるかな」 二人のやり取りを見ていた白石と忍足は、顔を見合わせる。 どこからどう見ても仲良しカップルにしか見えない。 「白石、どう思う?」 「せやなあ……お似合いやなあ」 白石達の会話は、千歳達には聞こえていなかった。 その後、汐屋が母親に頼まれたというキッチン雑貨なども一緒に見て回った。 そして全ての買い物を終え店を出ると、昼に近い時間になっていた。 4人は商店街の中にある安くてボリュームがあって美味いと評判の定食屋に入った。 「汐屋のおかげでいいのが選べたばい。本当にありがとう」 「全然。千歳君が自分で選んだんやけん、お礼言われることとか何もしとらんよ。それに私のお母さんの買い物にも付き合ってもらって、なんか帰って申し訳なかったな……」 「俺一人やったらあんな店入りきらんかったし、やっぱり迷って買いきらんかったと思うけん。やっぱり汐屋のおかげたい。気にする事なかよ」 「そう言ってもらうと嬉しかけど」 「お取り込み中悪いねんけど」 千歳と汐屋が会話を弾ませていると、忍足が割り込んできた。 「何ね、謙也」 「どうしたの? 忍足君」 「それや」 「どれ?」 指をさす忍足に、汐屋が首を傾げる。 「なんで自分、俺達としゃべる時は標準語で、千歳としゃべる時は九州弁なん?」 「え? ああ。だって大阪の人だから九州の言葉よく分かんないでしょ?」 「せやけどこいつはもうずっと大阪で九州弁しゃべってんで?」 「別に俺は気にせんけんね。汐屋が気になるとやったら使い分けたら良かたい」 「あ、うん……」 言葉を濁す汐屋に、白石は頬杖を付いたまま尋ねた。 「もしかして、何かあったん?」 それに反応したのは千歳だった。 すぐに汐屋の顔を見る。 白石の言葉が図星だったのか、汐屋は力なく笑うと首を横に振った。 「別に、何もないよ」 「ーーーそれなら別にええねんけどな」 白石はそれ以上何も聞かなかった。 だが、千歳はずっと汐屋の事が気になっていた。 前から感じていた他人と汐屋との間にある壁。その理由が知りたかった。 どうして普段は標準語を使うのか。 どうして自分には方言で話してくれるのか。 少しは自分に気を許してくれているからなのだろうか? テニスの試合ならば簡単に読める相手のことも、汐屋のことになるとからきし駄目だった。 続く… ここまでお読みくださりありがとうございました。 なかなか展開しなくてすみません(汗) なんせテーマが浮遊…(もういい?w) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.8
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不完全燃焼なんだろ そうなんだろ そうなんだろって 復帰は不可能なんだろ 野放しだろ 空気なんだろ 世間に蔓延る扱い いったい僕の存在意義って ネタキャラ寸前なんだろ そうなんだろッ?! なんてこったよ… 誰もいないヴェネツィア 一番IQ 高い設定も 現実感がなくって ひとり残される うつむいた顔に 寂しげな背中 飲みかけのペットボトル 生温い水を 手渡しされてた ジョルノに頼んで お礼言ったっけ? 律儀な僕は キンクリに気づかない 不完全燃焼なんだよ あのトリッシュは最初から僕に 上着を脱げとか言ったり 初期はちょっと美味しいだろう(・∀・) (パプヘが)操縦不可能なんだよ 予想外に際立つ力を 活躍させる機会は 一度だけ 一度だけ… ゴミ漁りしてた 小柄な少年 ほっとけなくて仲間のところに 誰に拒否されたわけでもないのに 店で叫んでた 答え出すのにもっと理論がほしいよ きみを褒めるのは 信じたいからで エヘヘと笑ったら まるでド低脳 ブッ刺してしまうね 不完全燃焼なんだよ 四則演算 手短にやれよ プロセスと結末にも 愛想尽かされているみたいだ プッツン寸前なんだろ? 繰り上がりや繰り下がりだって 頑張って覚えたじゃないか きみならさ できるさ Blackness Blackness・・・・・ キャラ作りの 振り幅が 大きすぎる 小説版の僕 立ち位置 チョ○ラータだしさ 残り香ある ミントの香り 不完全燃焼なんだよ このミッションは途中から僕に 過酷な選択を強いて 仲間たちと別れたよ 修正不可能なんだよ 後悔しても遅い感情 以後空気と呼ぶのだけは やめてくれ 不完全燃焼なんだろ そうなんだろ そうなんだろって 小説二作目出んだろ そうなんだろ そうなんだろ(嬉) 荒木描き下ろしのデザイン 増えたんだろ 背中の穴 ヘイズはハイレグなんだろ やめてくれ やめてくれ… 原曲【不完全燃焼/石川智晶】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm15356112】
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不完全燃焼、恋愛模様 球技大会でバスケットボールを選択する連中はそこそこ運動神経が良い人間が多い。 おかげでなかなかの白熱した試合となっていた。 最終クオーター残り時間1分で、74対75と千歳達のチームが一点負けていた。 球技大会とはいえ、なかなか本格的な試合形式を取っている。 おまけに学校最強のイケメンツートップが揃ったこの試合を一目見ようと、ギャラリーもどんどん増えて行った。 「絶対千歳にボール回すな!」 「ディフェンスっ!」 「走れ走れっ!!」 熱くなる選手達の中、千歳も楽しんで試合をしていた。 パシッ! 鋭いパスが飛んできて、千歳はそれを難なくキャッチする。 「きゃあー! 千歳君、シュート決めてや~!!」 「カッコいいーー!!!」 1、2、3人か。 ドリブルをしながら目の前でゴール下を守るディフェンス見て、かいくぐるルートを一瞬で見きわめる。 千歳に抜かれまいとディフェンスの三人が固まってコースを塞ぐ。 キュキュッと小気味よいシューズが床を鳴らす音とギャラリーの声援を受けながら、千歳はタイミングを計る。 今だ! 千歳は自分に襲いかかる敵の手を逃れるため、勢いよく前方に向かってジャンプした。 予想通り敵は千歳のボールを奪おうと追いかけて来た。 そして体を反転させながら、空いたスペースに走り込んできたチームメートに渾身のパスを投げる。 バシンッッ!! 「「「わあああっっっ!!!!」」」 見事千歳のパスが仲間の手に渡り、千歳が敵を引きつけたおかげで邪魔されることなくシュートを決めることができた。 大歓声が起こり、千歳達のチームは逆転に成功。 あと残り46秒。相手の攻撃をしのぐか、さらに得点を入れれば千歳達の勝利だ。 「よっしゃあ! ナイスパス! 千歳!」 「どうしたっ?」 「おっ、おいっ! 千歳っ!?」 ざわざわと声援とは違うどよめきが起こり、雰囲気が変わる。 観客が輪を作る中へチームメート達が急ぐと、そこには倒れ込んだ千歳の姿があった。 先ほどジャンプした勢いのまま壁に激突したのだ。 「大丈夫かっ、千歳!?」 「しっかりしろ、千歳!」 「ーーーう、うう……」 肩を揺さぶられて微かに動く。 顔をしかめて低くうめくと、千歳がゆっくりと体を起こした。 安堵のため息が辺りから漏れ、千歳の間延びした声が聞こえて来る。 「あ~、びっくりした」 「アホ! びっくりしたんはこっちや! 死んだ思たで!?」 「あはは、俺も死んだかと思った」 「おい千歳、お前血ぃ出とるで!?」 「え? あ、ほんなこつ」 笑いながら頭を掻いていた千歳は、自分の手についた血を見て再び笑う。 「笑っとる場合か! 早よ保健室行け! すんませーん、一人負傷したんで選手交代お願いします~」 「立てるか?」 「ああ、よかよか、大丈夫やけん。ちょっと待って、俺、交代せんばい」 のっそりと立ち上がると、一瞬くらりと目眩がした。 「お前アホか! そんな状態で出られても足手まといや。さっさと保健室行って先生に赤チン塗ってもらえ!」 「何かえらい冷たかねえ」 「心配しとるんや!」 「そうなん?」 「千歳君、これ使こうて」 「? お、ありがと」 近くにいた女子が差し出したハンドタオルを受け取り、千歳はありがたくそれを借りて傷口を押さえる。 「んじゃあ足手まといは保健室にでも行くたい。これ、今度洗って返すけん」 タオルを貸してくれた女子に向かって言うと、少女は照れ臭そうな笑顔で言う。 「あ、別に気にせんでええよ」 「……あ、そうか、俺の血が付いたタオルとか気持ち悪いたいね。じゃあ新しいの買って来るけん」 「そんなのええって!」 千歳にタオルをあげたというのが嬉しいらしい少女は、気を遣う千歳を制した。 「いいからさっさと行けや、千歳。怪我しとるくせに女口説きやがって! どんな余裕やねん!」 「別に口説いとらんよ。そげん邪険にせんでもいいやろ? ちゃんと保健室行くけん」 千歳と女生徒とのやりとりを見ていて苛ついた友人に急かされる。 「おい千歳。お前ほんまに大丈夫か?」 「白石。大丈夫たいこんくらい」 心配そうな白石に微笑みかけ、ざわめくギャラリーの中をゆっくりとやり過ごし体育館を出た。 続く… お読みくださりありがとうございました。 球技大会、懐かしい響きです。 管理人運動神経だけはそこそこ良かったんですが、 バスケとかバレーボールといった大きな球を使う球技がからきし駄目でした(笑) なんといってもバスケは片手じゃないとシュートが入らないし、 バレーは力が強すぎてサーブは全部ホームラン。。 という訳で、第3話でお会いしましょう。 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.3
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不完全燃焼、恋愛模様 「なんや千歳、お前随分暗い顔しとるなあ」 部室のドアを開けた瞬間、千歳はチームメートに突っ込まれた。 「そうかね?」 力なく返事をして荷物をロッカーに詰め込む。 制服を脱いで着替えていると、白石がやって来た。 「お疲れさん。あ、千歳、お前今日部活終わったら一緒に帰ろうや」 「あ、すまん。今日はちょっと用があるけん帰れんばい」 「用って何の用や?」 「話しがあるけん待っとってくれち言われとる」 「誰に?」 「1組の女子」 「タオルの子か?」 「ああ」 「ふうん……なら別にええわ」 「すまんな」 ドサリと置いた白石のバッグから、何かがこぼれた。 「ん、白石何か落ちたばい……」 それに気付いた千歳が落ちた物を拾う。 「ああ、すまん」 「これ……」 千歳が拾ったのは、今日の昼に汐屋が木の枝に引っ掛けていたあの手紙だった。 驚いて動きが止まった千歳から手紙を受け取ると、白石は笑った。 「やっぱりラブレターっちゅーもんは、なんやしらんけどもらうと嬉しいもんやなあ」 「部長、またラブレターもろたんですか?」 「ほんま、モテすぎるっちゅーのんも困りもんやで」 「うわー、普通のヤツが言うたらムカついてしばきたなるけど、部長が言うたら素直に納得ですわ」 「白石・千歳はうちの学校の二枚看板やしなあ。中学ん時も二人がおった四天宝寺中はイケメンばっかりやったし、ファンもぎょうさんおったからな」 部室で談笑する仲間の声を他所に、千歳は上の空のまま着替えてラケットを握りしめた。 「俺、先に行っとるけん」 部室を出てラケットをフェンスに立てると、ストレッチを始めた。 頭の中は真っ暗だ。 普通真っ白と表現するのかもしれないが、今の千歳の頭の中は黒いのだから、やはり真っ暗だ。 汐屋が渡した、白石へのラブレター。 一体どんな事が書いてあるのだろう。 って、ラブレターなんやけん、好きですって書いてあるに決まっとるたい。 心の中で自分に突っ込む。 情けないどころか、これはまさに惨めだ。 いっそのこと白石に尋ねてみようかと考える。 しかし何と尋ねていいのか分からない。 「千歳」 「……白石」 後ろからやって来た白石に、複雑な表情を寄越す。 白石は爽やかに微笑む。 「……何かお前、えらい機嫌良さそうばってん」 「そらあ、女の子からラブレターもらって嬉しくない男はおらんで」 「さっきのか?」 「そうや。しっかしラブレターなんて久しぶりで、なんや新鮮味があってドキドキしたわ」 「ーーー誰からもらったとや?」 分かっているが、せっかく白石自ら話しを振ってくれたのだから聞いてみる。 「そらあ内緒や」 「俺の知っとる人ね?」 「何でそんなこと聞くんや?」 話しを濁す白石に、はたと気付く。 白石は千歳の好きな人を知っている。それならもし汐屋からラブレターを貰ったのなら教えてくれるはずだ。 ーーーいや、ばってんもし白石も汐屋の事ば好いとったら、汐屋からラブレター貰ったって教えるやろか? 確かに、もし白石も汐屋の事を気に入っているとしたら、誤摩化しても可笑しくない。 千歳は初めて白石に対して腹立たしさを感じた。 それだけ汐屋の事が気になるのだ。 「なんね、俺には教えられんってこつね?」 「そういうんやない。くれた女の子の事考えたら、ペラペラとしゃべることやないやろ?」 「まあ、そうたいね」 「そういう訳で、内緒やーーーおい、お前ら、さっさとストレッチして走るで!」 部室から次々出て来る部員にはっぱを掛けると、白石は千歳の前屈を助けながらボソリと小声で言った。 「なあ千歳。惚れたら負けやなんて、嘘やで?」 「え?」 「おいコラ! 真面目にせえ! 怪我したらかなんで、もうすぐ試合やねんからな!」 白石の言った言葉の意味を尋ねようとしたが、千歳はタイミングを逃してしまった。 続く… お読みくださり、ありがとうございます。 恋する男は複雑なのでございます(笑) 次へ ↓ 不完全燃焼、恋愛模様.12